スパイラル

休日の午後




妻は外出・・・子供たちは学校・・・



 部活や少年野球で遅くなるらしい....





一人のんびりコーヒータイム









すると、突然TEL・・




娘からだ




「もしもし、おとん?

ちょっと忘れ物したから

急いで学校まで持ってきて

赤いユニホームとー..アンダーシャツとー..

ベルトとー.. 時間ないから急いで・・・!!」





プチっ プープープー





切れた...




        
公衆電話からだ







普段、家のことなど何もしたことが無い


子育てNOタッチの自分は


こにがあるのかっぱりわからない....






早速、妻のケータイにTEL・・・





すると電話をしている そのそばから着信がなる。





                    妻のケータイだ・・・





何のためのケータイだ.....携帯しないケータイか?...





仕方ない、


それらしいものを見繕って持って行こう・・


時間が無い!




その辺にあった

大きいスポーツバックにブツを入れ



慌てて出かけようとした時、..

今度は車の鍵が無いことに気づく・・・




   妻の車の中に置いたままだったのだ...





さて、次はスペアキー探し・・・





娘は学校の校門の前で待っている・・・あせる・・






・・あせる・・・ あせる・・・せる・・






った! ペアキー





急いで車に乗り込む・・・・





? エンジンがかからない・・・!





セルは回るがダメだ! 


度も試すがダメ




何が一生モノの宝物だだ・・つかえねー・・




  
焦りは最高潮・・・





学校までは車で10分 

歩きだと30~40分位か?





間に合わない。







何かないか?    








見!!




チャリンコ





息子の幼児用・・

      




っちゃ!







でも 仕方ない・・娘が待っている。これしかない!






いでもいでも前に進んだ気がしない。





大きいスポーツバック背負って、


幼児用のチャリ三十路男


血相かいて走っている姿は異常だ・・




誰にも見られたくない



しかも走っている道は学校の通学路。


小学校の低学年は、もう下校の時間・・





すれ違うたび、「」っと聞こえる


ビックリしたー」とかも聞こえた。




   
誰も俺をみるな・・(心の中で叫ぶ)





そして 目的地まで  あと僅かのところ・・・




そこにパトカーが通り過ぎる・・




なんかスピードを落とし始めた・・・




        嫌な予感....




警官がこちらを見てる





時間がないのだ・・職質なんぞされてたまるか・・





ダッシュで突破--  間一髪  

ただ事でないことを察してくれたか?






娘は友達と校門の前で待っていた・・





間に合った・・・





異様な私の姿に凍りつく娘にブツを手渡す。






「これだよね?」




  バックの中身を確認・・





全然違う! いやつって言ったじゃん!」







も う 体 力 の 限  界・・・・




何とかこれで納得してもらえないでしょうか





納得してもらえるはずも無く
娘は、私の乗ってきた幼児用チャリに乗り
猛ダッシュで家まで取りに行ったのだった。